苦手な人との退屈な時間を文章にするとき、ただ愚痴や辛かった思い出として書いてしまうのは、もったいないことです。
読み終わった後、読者の心に残るのは疲労したんだね、という感想だけです。
今回は、そんな時間を価値ある情報にリマスターした事例をご紹介します。
Before:被害者(受け身)として描く
留学先でシェアハウスに住んでいたときの出来事です。
オーナーの話が長くて困っている様子を、私はこう書いていました。
「あ、すみません、これから課題が……」
と遮ろうとしても、
「そうそう、課題といえばね!」
と話が繋がっていく見事な話術。
これはこれで、情景が目に浮かぶユーモアですが、時間を奪われ、自分の話を聞いてくれないという被害者意識が透けて見えてしまいます。
読んでいる人も、また愚痴かと少し疲れてしまうかもしれません。
After:探求者(主体)として描く
そこで、話が長いことの裏にあるメリットに目を向けてみました。
なぜオーナーはこんなに話すのか? 何か価値があるのではないか?
オーナーは何十年も現地に住んでいる大先輩なので、語学学校では手に入れられない貴重な情報をたくさん教えてくれます。
シドニーだけじゃなく、メルボルンや首都キャンベラ、パースのことも。
事実は変わりません。話が長いことは同じです。
しかし、それをたくさんの情報量(有益)と解釈することで、オーナーへの感謝(尊敬)と現地情報が得られるというメリットが生まれました。
文章術:攻めのリフレーム
これは攻めのリフレームです。
- 価値を見つける:欠点(長い)の裏側にある長所(情報量)を探す。
- ポジティブに変換:奪われた時間ではなく得られた知識にフォーカスする。
自分にとって不都合なことでも、視点を変えれば宝の山になることがあります。
ビジネスで言えば、クレームが多い顧客は改善点を教えてくれる熱心なユーザーになり得ますし、競合が多い市場は需要がある成長市場と捉えることもできます。
ビジネスへの応用
この技術は、クレーム対応や面倒な仕事に向き合うときに真価を発揮します。
クレーム客と思うとストレスですが、弊社のサービスを真剣に使ってくれている先生と思えば、そこには改善のヒントが眠っています。
面倒な雑用も、業務フローを見直すチャンスと捉え直せます。
ただ不満を言うのではなく、そこから何を得たかを語れるリーダーには、自然と人がついてきます。

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